住基ネットと監視社会
アマゾンのレビュー
住基ネットと監視社会
賛否渦巻く中、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の本格的運用が始まった。8月からは、希望者に住基カード(ICチップ内蔵の管理用カード)が配付されている。本書は、住基ネットを巡る様々な問題点を、主に法的な観点から識者らが徹底究明しようと試みたものだ。
著者の1人、ジャーナリストの斎藤貴男氏は、この問題を7年にわたり追ってきた。そのうえで、反対勢力が住基ネットのシステムの甘さを指摘し、セキュリティー上の問題を強調しすぎるのは「国民総背番号制度」の本質を矮小化する危険があると指摘する。セキュリティーが確保された場合、逆に監視システムにお墨つきを与えることになると危惧する。また、住基ネットの動きは国家による監視社会構築と密接な関わりがあるとし、個人情報保護法などによる表現・メディア規制の問題点にも鋭く切り込む。
法的課題としては個人情報・プライバシー侵害の問題を挙げる。憲法第13条が保障する幸福追求権の本質的解釈をひもとくほか、住民基本台帳法及びこれに基づく政令・条例による保護措置が必要十分なものであるかを検証する。また、住基ネット訴訟の争点や口頭弁論の中身、欧米の事情などと比較して違憲性を訴える。
(日経ビジネス 2003/09/29 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
内容(「MARC」データベースより)
2003年8月に本格稼動を始める住基ネット。違憲差し止め訴訟への取り組みや市民運動とも連携しつつ、住基ネットを軸に日本が向かいつつある「監視社会」の実態に対して法的な観点から徹底した検証と根源的な批判を行う。