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離婚後の印鑑証明と印鑑登録について

離婚をした後は生活に様々な変化が出てきますが、印鑑証明や印鑑登録についても変更が必要になる場合があります。

ただ印鑑登録の状況によっては、変更が必要ない場合もあります。

早速、見ていきましょう。

離婚後の印鑑証明について

離婚後の印鑑証明書の発行及び印鑑登録は下記の通り、離婚前の印鑑登録の方法や離婚後の住居の状況によって異なってきます。

divorce

順番に見ていきましょう。

〇離婚前の印鑑登録はフルネーム?

離婚前に登録した印鑑が、つまり、実印がフルネームかどうかということがまず、確認すべきポイントの一つになります。

なぜなら、離婚後は氏名を旧姓に戻すケースが多いからです。

結婚後に新しい氏名となり、フルネームで印鑑登録を行い、離婚後に旧姓に変更になる場合は、新しく印鑑登録を行う必要があります。

また、結婚後にフルネームで印鑑登録はしたが、夫婦別姓で、以前から旧姓のままで登録してある場合は、変更は必要ありません。

〇離婚前の印鑑登録は「名」のみ?

離婚前の印鑑登録を氏名の「名」のみで行っていた場合は、離婚後も変更は必要ありません。

なお、離婚後に運勢などを変えたいということで、自分の「名」の漢字を変更する人がたまにいますが、その場合は、再度、印鑑登録をする必要があります。(例としては、花子→華子に変更など)

〇離婚後は氏名の変更はあり?

結婚後に新しい氏名に変更したが、離婚した後も氏名を旧姓に戻さないという人がいます。

つまり、離婚した後も旧姓を名乗らないというケースです。

この場合はフルネームで登録してあっても、印鑑登録を変更する必要はありません。

〇離婚後の引っ越しは?

印鑑登録は、住民票の登録がしてある市区町村の役所で行うというのが現在の国及び地方での対応となっています。

となりますと、離婚後にどちらかが他府県に引っ越ししたり、同じ都道府県に住んでいても、市区町村が変更になる場合は、印鑑登録を新しい住所のもとで行う必要があります。

上で挙げた4つの条件を整理してみると、下記のような表になります。

【印鑑登録の変更について】離婚後も住民票の移動を伴う引っ越しなし住民票の移動を伴う引っ越し有り
結婚後に「名」のみで登録、離婚後も「名」は変更しない必要なし必要
結婚後に「名」のみで登録したが、離婚後に「名」を変更必要必要
結婚後にフルネームで登録→離婚後に氏名を変更必要必要
結婚後にフルネームで登録→離婚後、氏名を変更しない必要なし必要

離婚前に押印した実印と印鑑証明書の効力について

例えば、共同財産として購入したマンションや公正証書の作成を離婚前の実印と印鑑証明書によって行っていた場合で、仮に離婚後に新しい印鑑登録を行っても、以前結んだ契約書での効力は失われません。

もし、以前の契約書の正当性を証明する必要に迫られた場合は、戸籍謄本や除籍謄本を役所から発行してもらい、離婚歴があることを証明することができれば、問題ありません。

離婚後の実印について

離婚をした後に、それまで使用していた実印をそのまま使い続けるのは、何か縁起が悪くて・・という方も中にはいるかもしれません。

実際に、当社提携の弁護士によれば、印鑑登録を変更する必要がないのに、そうした理由で、実印を変更する人も決して少なくないということです。

離婚後に心機一転、実印を変更するというのも一つの区切りとなるのかもしれませんね。

離婚後の実印の選び方

当サイトでは、実印は女性であれ、男性であれ、できるだけフルネームでの実印を選ぶことが大切であるという立場を取っています。

なぜなら、実印は、本人確認のためのオリジナルの印鑑であり、市区町村の長が発行する印鑑証明書はその実印の有効性を裏付けるというシステムになっているからです。

実際に、本人確認用として実印による押印と印鑑証明書の発行が求められる取引は、不動産の売買や自動車の売買、公正証書の作成など多額の金銭が絡む取引が多いのが特徴で、仮に簡単に複製できる印鑑を実印として使用していると、”なりすましリスク”を抱えることになってしまいます。

極端なことを言えば、簡単に複製されてしまうような実印だと、悪用されて連帯保証人に勝手にされてしまうということも十分あり得ます。

そんな大げさな・・という方もいるかもしれませんが、残念ながら、実印と印鑑証明を悪用した事件は毎年のように起こっている・・というのが現状です。

フルネームでの実印を選ぶ理由について、もっと詳しく知りたいという方は、実印(印鑑証明用の登録印鑑)をフルネームにするべき理由からお読みください。

まとめ

「離婚後の印鑑証明と印鑑登録について」と題して、実印と印鑑証明書の仕組みと離婚後の実印の作り方まで説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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【筆者プロフィール】

浅井美津子

保有資格である宅地建物取引士(免許番号:941700070)・簿記1級・販売士1級を活かし、長年にわたり、不動産、自動車などの売買契約業務から会計業務まで幅広く従事。社会問題から生活に関わる話題などについて、独自の視点で執筆活動も行っています。