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琥珀の印鑑の価格相場~特徴からお手入れまで~

マツ、スギ、ヒノキといった樹木(針葉樹や広葉樹など)の樹脂が長い年月をかけて流れ出て、それが化石化した琥珀。

人類の手によって、利用され始めたのが旧石器時代と言われてまして、最も歴史の長い宝石の1つであり、大変貴重な素材でもあります。

気候や風土、木の種類などの違いにより、様々な色や形の琥珀が生まれ、そして利用されてきましたが、現在はネックレスなどのアクセサリーとして多く利用されているほか、「印鑑」としても利用されています。

今回は、そんな琥珀について、その特徴から価格相場、お手入れ方法まで説明していきたいと思います。

琥珀の印鑑の価格相場

琥珀の印鑑を作成した場合、いくらぐらいの費用が掛かるのかという点について、女性用は15cm、男性用は16.5cmをサンプルとして、国内の印鑑販売サイトの価格相場を実印をベースに調査いたしました。(参考記事/「実印の大きさ(規定サイズ)について~女性用と男性用~」)

 琥珀(女性用/15cm)琥珀(男性用/16.5cm)
はんこプレミアム¥7,080¥7,680
ハンコヤドットコム¥15,300¥17,400
ハンコマン¥12,470¥13,500
はんこdeハンコ ¥14,800¥16,800
いいはんこやどっとこむ¥9,780¥11,480
印鑑市場¥13,000¥14,300
ハンコヤストアドットコム¥12,600¥14,600
印鑑の匠¥8,980¥10,980
平安堂¥15,800¥27,800
はんこキング¥10,381¥12,095
国士堂¥25,550¥39,970
畑正¥23,000¥26,600
相場価格(平均)¥14,062¥17,767

琥珀の魅力は何と言っても、その神秘的とも言える見た目の美しさと古代からの歴史が詰まったその素材としての希少価値(ロマン?)にあると言えます。

海の神ポセイドンに恋を引き裂かれた人魚の涙が琥珀になったという伝説から「人魚の涙」と呼ばれたり、太陽神の息子パエートンが全知全能の神であるゼウスの怒りを買って命を落とし、それを見たパエートンの姉妹が流した涙が琥珀になったという伝説から「太陽の石」と呼ばれるなど、琥珀には”ロマン”を感じさせる魅力が詰まっています。

そんな魅力たっぷりの琥珀は、その価値の希少性から価格についても、印鑑として最高峰の位置づけにある象牙に引けを取らない高価格の印鑑になっています。

ただ、これから詳述しますが、印鑑としての実用性は残念ながら、他の印材に比べると低いと言わざるを得ません・・・。

琥珀の色の種類について

琥珀の生産で最も有名な生産地はバルト海に面したポーランドのグダンスク地方で、ポーランドのグダンスク産の琥珀は世界でも最高峰とされ、実に世界の琥珀産業の85%以上を生産していると言われています。(Amber Mining in Poland Today/英語)

実際に、装飾品を中心に日本にもポーランド産の琥珀は数多く輸入されています。

その他にも、琥珀は世界中で生産されていまして、アメリカ、ヨーロッパを中心に多くの会社が琥珀商品を製造しています。
そして、琥珀の種類には、「ブルー」「イエロー」「グリーン」「チェリー」「ロイヤル」といった種類がありますが、印鑑として使われているのは、いわゆる琥珀色と呼ばれる下記の写真のような色のものがほとんどです。

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琥珀の特徴について

それでは、琥珀について、印鑑として使う場合の素材の特徴を見ていきたいと思います。

〇耐久性について

琥珀は化石化した宝石とは言え、元々は樹脂でできています。

そのため、他の素材に比べて耐久性はどちらかというと低い方に分類されます。

そこで、印鑑として利用されている琥珀には人口の樹脂(プラスティック)などにより熱処理を加えて印鑑としての耐久性を向上させています。

〇耐熱性について

琥珀は熱に対する耐性もあまりありません。

実際に本物の琥珀はアルコールを使って熱すると、すぐに溶けてしまうほどです。

ただ、熱処理を加えて表面を加工していることから、印鑑として使用する分には、それほど高い熱にさらされることがなければ、使用には問題ありません。

〇硬度は低い

同じ宝石であるダイヤモンドのモース硬度を10とすると、琥珀は2程度で、このモース硬度は人間の爪程度の硬さと言われています。

純金や純銀などと同じような高度です。

石の中でも高度が低いとは言え、印鑑としての利用には十分な硬さを兼ね備えています。

〇見た目の美しさ

琥珀の印鑑として最も魅力なところと言えば、その見た目の美しさと言っても過言ではありません。

特に女性の方はアクセサリーとして何度も目にされているかと思いますので、ご存じの通りですが、ヨーロッパには琥珀ジュエリーの高級メーカーが存在するほどです。(参考/Monartti)

見た目の美しさとしての印鑑を選ぶのであれば、琥珀は群を抜いていると言えるでしょう。

〇陰影の美しさ

琥珀は硬度の低さや吸着性からとても柔らかな美しい陰影を押すことができます。

ただし、素材として繊細なため、捺印後はすぐに朱肉を拭き取るなどのこまめな手入れをしないと劣化が進んでしまい、ひび割れなどを起こしかねません。

これは、天然の琥珀に耐久性や硬度をアップさせるための熱処理の弊害でもありまして、アクセサリーなどでも熱処理が施された琥珀の利用上の注意すべき点の一つとして挙げられています。

琥珀のお手入れと保管について

琥珀はここまで説明させて頂きました通り、他に類を見ない見た目の美しさと素材の希少性を持っている代わりに、素材としての”弱さ”も多いという側面があります。

化学薬品(香水や洗剤など)、熱湯、汗などには決して強いとは言えませんので、乾いた布でこまめにメンテナンスをしてあげましょう。

なお、メンテナンスを怠ってしまうと、変色したり、ひび割れなどを招いてしまいます。

また、衝撃などにも弱いため、印鑑ケースに入れて、日の当たらないところで、大切に保管しておく必要があります。

まとめ

「琥珀の印鑑の価格相場~特徴からお手入れまで~」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

琥珀の印鑑の購入について、読者の方の参考になれば幸いです。

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【筆者プロフィール】

浅井美津子

保有資格である宅地建物取引士(免許番号:941700070)・簿記1級・販売士1級を活かし、長年にわたり、不動産、自動車などの売買契約業務から会計業務まで幅広く従事。社会問題から生活に関わる話題などについて、独自の視点で執筆活動も行っています。