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著作権侵害でプロバイダやサーバ管理者などへ削除要請などを請求する流れと印鑑証明についてのまとめ

インターネットでは膨大なコンテンツが無料で提供されていますが、その中でも近年、問題となっているのが「コンテンツの2次利用」です。

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特に2010年代以降に乱立した、コンテンツの大半を「引用」で構成した一部の悪質な”キュレーションメディア”の「著作権侵害」に関しては、一部のユーザーから厳しい声が挙げられています。(2016年には、DeNAが運営していたキュレーションメディア9サイトが一時的に閉鎖に追い込まれる騒ぎとなりました。)

DeNAの閉鎖を受けて、他社も一部コンテンツを削除するといった動きも一時的には出ましたが、今なお著作権侵害を行っていると判断されてもおかしくないようなサイトも多く、また、今後も非合法なサイトが出てくることは十分考えられます。

そこで、今回は、著作権侵害を受けた人(権利の保有者)が、「プロバイダやサーバ運営会社」などへコンテンツの削除などを要請する場合の手順と流れ、そして、その申請にあたって必須となる印鑑証明書と実印による押印について説明していきたいと思います。

早速、見ていきましょう。

なぜ、プロバイダやサーバ管理者へ削除を要請する必要があるの?

まず、そもそも権利者である人が当事者同士でなく、なぜプロバイダーやサーバ管理者などへ連絡する必要があるのでしょうか?

その問題点がどこにあるのかということを理解して頂きやすいように、イメージをご用意いたしましたので、ご覧ください。

例として、あるブログを運営している女性が自分で書いた記事と自分で撮影したオリジナル写真を、違うサイト運営者にコピーされてしまったケースを取り上げます。

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上記をご覧いただくと、お分かりの通り、インターネット上では、権利侵害者が権利保有者からの削除要請があったとしても、その要請を「本人かどうか分からない」「見解の相違」といった理由で拒否したり、無視を決め込むことで、一向に問題解決が進まないことが少なくありません。

そこで、当事者同士が争っていても一向に解決しないこと防ぐために、著作権侵害をしている人が運営しているウェブサイトが置かれているサーバ会社などに、権利保有者が正式な書類で申請して削除要請を出せる仕組みを作り、円滑に著作権侵害に対応していく目的で生まれたのが「プロバイダ責任制限法」と呼ばれる法律になります。

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この場合、間に入る形となるサーバ管理者やプロバイダが、申請者である権利保有者の個人情報を権利侵害者に明かすことなく、削除などの対応が可能になりますので、権利保有者は、個人情報を守られることが前提で、削除要請を出すことができます。

つまり、個人情報の漏洩が怖くて、正当な訴えをためらっていた人が、紛れもなく正当な権利保有者であることを証明した上で、請求できるという仕組みになります。

なお、サーバ管理者やプロバイダは個人情報を守ることが大前提と説明しましたが、この場合は条件がありまして、それは請求を行う人が、それを希望した場合に限ります。(情報開示の秘匿を申し出ない場合、原則、権利侵害者に情報が開示されます。)

今回は事例として、あるサイトオーナーがオリジナルコンテンツが他のサイト運営者に著作権侵害されるケースについて取り上げましたが、他にもQ&Aサイトや掲示板、まとめサイトなどで引用元の明示なくコンテンツをコピーされたりするケースでも、同じような流れで削除要請を出すという流れになります。

プロバイダやサーバ管理者の特定について

ここまでの説明で、著作権侵害を訴える流れをざっくりと把握して頂いたかと思いますので、続いては、その訴えを届け出る相手先を探す方法について、見ていきたいと思います。

調べる方法は幾つかあるのですが、例えば、下記のようなサイトで、権利を侵害していると思われるURLを入力し、IPアドレスやサーバの位置、サーバの運営会社などを特定するという方法があります。

ウェブ調査
https://www.aguse.jp/

そして、サーバの運営会社を特定した後は、その会社のサイト内にある「プロバイダ責任制限法」のお手続きに関してといったページへと進み、そのサーバ運営会社の対応状況を確認するという流れになります。

例えば、WEBサーバやブログサービスを提供しているNTTコミュニケーションズでは、著作権を侵害された人からの申請を受け付けるために、下記のようなページを用意しています。

参考/「プロバイダ責任制限法」のお手続きに関して -NTTコミュニケーションズ-

プロバイダやサーバ管理者へ削除を要請する申請書について

それでは、ここからは実際にプロバイダやサーバ管理者へ削除要請を依頼する場合の書類などについて、具体的に見ていきましょう。

まず、見ていくのは最も肝心な「申請書」です。

著作権侵害に関する申請書については、サーバ運営会社などで用意されていることがありますので、そちらをご覧いただくのが早いと思いますが、申請書類が用意されていなかった場合でも、プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会が作成した「著作物等の送信を防止する措置の申出について」という書類がありますので、そちらを利用することができます。

参考/プロバイダ責任制限法 関連情報WEBサイト

上記のサイトに用意されている申請書には大きく3つの種類がありまして、様式Aは個人用、様式Bは著作権管理事業者用、様式Cは芸能事務所や会社などの法人用といった形です。

※著作権管理事業者は文化庁が認可した社団法人など

参考/著作権等管理事業者の登録状況

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ただ、プロバイダ責任制限法関連情報サイトには、解説入りの「PDF」のみしか取り扱いがありませんので、編集がしやすい「word版」をご希望の場合は、当サイトにて用意させて頂いたファイルをお使い頂ければと思います。(無料)

word

下記は、プロバイダ責任制限法関連情報サイトの解説入りPDFになります。

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データ出所/プロバイダ責任制限法 関連情報WEBサイト

その他の書類と印鑑証明について

申請書が用意できますと、今度は申請の申し立てを行う人の本人あるいは、代理人の本人確認などの書類や添付書類などを用意します。

必要な提出書類については、各サーバ運営会社により若干異なりますが、下記の書類は最低限、必要になります。

 必要な書類備考
1請求/依頼書内容に応じて
2権利が侵害されたことを示すWebサイトの画面コピー赤枠で囲むなど該当箇所をマーキングを行う
3印鑑登録証明書1に押印した印鑑の印鑑登録証明書(発行から3ヶ月~6ヶ月以内)
※コピー不可とコピー可の場合あり
4本人確認資料の写し個人名義:運転免許証、パスポート等
法人名義:現在事項証明書、登記簿謄本等
5請求の申立者が著作権者であることを証明するもの代理人が弁護士でない場合は委任状が必要

それでは、上記の中から、印鑑登録証明書(通称:印鑑証明)と申請書に押す実印などについて、見ていきましょう。

まず、「そもそも実印って何?」という方のために、実印について説明させて頂きますと、実印とは、自分が住んでいる市区町村の役所に、自分の苗字と名前が刻み込まれた印鑑を自分だけのオリジナルの印鑑として、登録した印鑑のことを指しています。

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そして、この実印+本人による記名及び署名が記された契約書や申請書は、本人の意思確認を持ってなされたと強く推定されるため、不動産の売買や重要な契約で利用されています。

参考/実印と印鑑証明書が揃った契約書を無効にすることが大変な理由とは?

参考/実印ってそもそも何?登録方法から使い方まで徹底解説!

では、続いて実印を実印を申請書に押す場所について、見ていきましょう。

先ほどのプロバイダ責任制限法関連情報サイトの申請書を例にとりますと、下記のように名前の後ろにある「印」マークの上に押します。

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そして、その押された印鑑が間違いなく、市区町村の役所で登録された印鑑であることを証明するために、印鑑登録証明書を取得します。

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参考/印鑑登録証明書の取り方・取得の方法

なお、添付する印鑑証明書ですが、その書面の重大性から「原本ではなくコピーではダメなの?」「原本は返して欲しい」という意見をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

これについては、サーバ運営会社によって対応状況が異なっていまして、「原本と相違なし」と記載することを条件にコピー可としている会社や、返信用封筒を同封の上、「返送希望」を受け付けている会社もあります。

また、印鑑証明書の有効期限についてですが、不動産や自動車の売買と同様、慣習として「3ヶ月~6ヶ月」としているところがほとんどで、それを援用しているケースがほとんどです。

なお、実印を持っていないという方は、下記の記事で印鑑作成の注意点などをまとめてありますので、参考にして頂ければと思います。

参考/印鑑作成|失敗しない「はんこ」の選び方と注意点

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まとめ

「著作権侵害でプロバイダやサーバ管理者などへ削除要請などを請求する流れと印鑑証明についてのまとめ」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

著作権侵害については、当サイトでも過去に被害を受けた経緯があったことから、その手続きについては高い関心を寄せていまして、今回、著作権侵害を受けている方のお役に立てればと思い、記事を執筆いたしました。

著作権侵害を受けている人で削除申請を出そうとしている人に、本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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【筆者プロフィール】

浅井美津子

保有資格である宅地建物取引士(免許番号:941700070)・簿記1級・販売士1級を活かし、長年にわたり、不動産、自動車などの売買契約業務から会計業務まで幅広く従事。社会問題から生活に関わる話題などについて、独自の視点で執筆活動も行っています。