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市場化テスト法案と印鑑証明書の交付などの窓口業務について

規制改革・民間開放推進会議が市場化テスト(官民競争入札)と称して公共サービス効率化法 (市場化テスト法)案が17年度の国会で提出されました。

いわゆる「官から民への」流れの一環であり、その中の一つに住民票の写しや印鑑証明書の交付などの窓口業務を守秘義務などの条件をつけた上で民間へ業務委託するというものがあります。

この業務委託の是非については、実際に業務がスタートしてからの住民の反応をフィードバックしての検証やその上での有識者などの議論が行われるまでに少なくとも数年を必要とすると考えられますが、「本人確認の徹底」や「偽造・盗難」などのセキュリティ面での問題をクリアできれば、市民にとっては有益なサービスになり得る可能性があるのではないでしょうか。

住基カードによる電子申請を経て、自動交付機での発行や、郵便局、コンビニやショッピングセンターなどで各種証明書の交付を行うことができれば、これまでのように市役所に行って、申請から発行までを行列に並んで行う必要もなくなるでしょう。

さらに、この民間への業務委託が成功裏に進められれば、つまり、「本人確認の徹底」や「偽造・盗難」などのセキュリティ面での問題をクリアすることができれば、発行枚数が低調な住基カードの発行や印鑑登録までも業務委託を行うことができる可能性もあるということになります。

ちょっとそれは…不安という方もいらっしゃるかもしれませんが、本人になりすました住基カード発行の事件などが起こっている現状では、自治体だから安全が担保されることはないということを証明しています。

だからといって民間だから安全であるということはもちろんありませんが、規制緩和・小さな政府・電子政府を目指す現在の政府としては、その可能性、公的サービスの民間委託拡大も一概には否定できないでしょう。

今後公的サービスの「電子化」はますます拡充されてくると思いますが、市民である私たちも慎重にそして、上手に利用していきたいものです。

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【筆者プロフィール】

浅井美津子

保有資格である宅地建物取引士(免許番号:941700070)・簿記1級・販売士1級を活かし、長年にわたり、不動産、自動車などの売買契約業務から会計業務まで幅広く従事。社会問題から生活に関わる話題などについて、独自の視点で執筆活動も行っています。