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楓の印鑑の価格相場~特徴からお手入れまで~

ギター、野球のバット、高級車の内装、家具の素材として幅広い用途で使用されている楓(かえで)に合成樹脂(プラスティック)による特殊な処理を施して製造される楓の印鑑。

今回は、そんな楓について、その特徴から価格相場、お手入れ方法まで説明していきたいと思います。

楓の印鑑の価格相場

楓の印鑑を作成した場合、いくらぐらいの費用が掛かるのかという点について、女性用は15cm、男性用は16.5cmをサンプルとして、国内の印鑑販売サイトの価格相場を実印をベースに調査いたしました。(参考記事/「実印の大きさ(規定サイズ)について~女性用と男性用~」)

 楓(女性用/15cm)楓(男性用/16.5cm)
はんこプレミアム¥5,100¥6,100
ハンコヤドットコム¥5,100¥6,100
ハンコマン¥4,210¥5,030
はんこdeハンコ ¥3,680¥4,780
いいはんこやどっとこむ¥3,780¥4,980
印鑑市場¥4,800¥5,800
ハンコヤストアドットコム¥3,580¥4,580
印鑑の匠¥3,080¥3,480
国士堂¥6,060¥6,680
相場価格(平均)¥4,377¥5,281

楓は日本では別名「もみじ」として街路樹など、街中でも至るところで目にすることができる人気の樹木で、また、海外産では特にカナダ産のメープルウッドは日本でも名高い樹木になります。

カナダ産のメープルウッドは、北米では木製品の素材としては大人気で、特にメジャーリーグでは、Marucciのようなメーカーがカナダ産のメープルウッドをバットの素材として採用しておりまして、アルバート・プホルス、デービッド・オルティス、ホセ・バティスタ、アンドリュー・マカッチェンといったスタープレーヤーにメープルウッド素材のバットを提供しています。

そんな実用性に富んだ木材である楓は、その見た目の美しさと耐久性の高さから「印鑑」としても人気があり、実印から銀行印まで幅広く選ばれる素材となっています。

楓の色の種類について

現在、国内で販売されている楓の印鑑については、大きく分けて木目調の茶色の楓と黒く塗った黒楓の二つのタイプがあります。

いずれも楓に合成樹脂を施したものであり、カラーが違うだけで素材としての違いはありません。

また、木目調の茶色の楓と黒楓で、同じ店舗内で、価格面に違いが見られるということも、ほとんどないという状況です。

楓の特徴について

それでは、楓(メープルウッドまたはイタヤカエデ)について、印鑑として使う場合の素材の特徴を見ていきたいと思います。

〇耐久性・耐食性の高さ

家具や高級車の内装などに使用されていることからもお分かり頂ける通り、楓は木材としては、きわめて高い耐久性を誇る素材の一つになります。

また、天然の木材である楓はそのまま天然素材として使用していると、どうしても腐食や変色が進んでしまいますが、印鑑の表面に合成樹脂による特殊な加工を施すことで耐食性を向上させることに成功しています。

実印や銀行印といった貴重な印鑑としての耐久性と耐食性は、十分に備えた素材であると言えます。

〇耐熱性の高さ

楓(メープルウッド)は、耐熱性という点でも優れた特性を持っています。

実際に世界的な調理器具メーカーの「ル・クルーゼ」社は木製の調理器具をメープルウッドで製造しておりまして、火など高い熱に日常的にさらされることが前提の料理の道具として使われていることからも、その耐熱性の高さを窺い知ることができます。

他の天然素材である象牙や黒水牛などは高級印材としてよく知られていますが、それらの天然素材に比べると、熱に対しては比較的、強い部類に入ると言えます。

〇硬度に優れている

野球のバットにも使われていることからもお分かりの通り、素材としての硬度は折り紙つきです。

150キロ近い野球の硬式のボールを打ち返しても、ほとんどバットが折れないことからもかなりの衝撃に耐えることができます。

楓(メープルウッド)は、木材の中でもかなり硬度が高いことに加えて、合成樹脂による特殊な加工を施していますので、印鑑の素材としての硬度は他の天然素材に比べると、かなり優れていると言えます。

〇見た目の美しさ

カナダの国旗にもその模様が入るなど、樹木として非常に高い評価を得ている楓(メープルウッド)ですが、その見た目の美しさも群を抜いています。

その美しさの最たる例としては、「バーズ・アイ・メープル」と呼ばれる玉粒状の鳥眼杢などの模様が入った楓が高級家具や高級楽器の素材として高値で取引されていることが挙げられます

楓(メープルウッド)は自然の木目がぬくもりを感じさせるだけでなく、飽きがこないトラッドな模様が印象的です。

また、黒楓については、カラーが黒ということもあり、高級感を漂わせる印鑑で、特に男性に人気の印鑑となっています。

〇陰影の美しさ

楓が印鑑の素材として優れた硬度があるということに加えて、木材としての接着性の良さがあることは、印鑑として利用する上で実用面では大きな特徴

を兼ね備えていることは、朱肉を吸ったときにも、”にじみ”などが出にくいということに繋がり、陰影の美しさでもプラスに作用します。

つまり、捺印したときの陰影が滑らかで、美しくなる可能性が高いということです。

実際に楓の印鑑で捺印してみると、その陰影の美しさにきっと、納得がいくでしょう。

〇耐摩耗性が強い

楓を印材として利用するメリットには、耐摩耗性の強さも挙げられます。

チタンであれば、同じ金属同士でぶつけてしまうと傷つきやすかったりしますが、楓の場合は、耐摩耗性については、ほとんど心配をする必要がありません。

楓のお手入れと保管について

楓はもともとは天然素材ですが、プラスティックによる特殊な加工を施しているだけあって、お手入れには、ほとんど気を付ける必要がありません。

まさにこの、メンテナンスフリーなところが、持続的に生産が可能で環境にやさしい新素材と言われる所以になります。

ただ、とは言いましても、朱肉をつけて押印した後などは、こまめに拭き取ることが大切ですし、見た目の美しさを維持するためには、表面に付着した手の汚れなどを乾いたタオルなどで拭き取るといったメンテナンスは必要になります。

まとめ

「楓の印鑑の価格相場~特徴からお手入れまで~」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

楓の印鑑の購入について、読者の方の参考になれば幸いです。

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【筆者プロフィール】

浅井美津子

保有資格である宅地建物取引士(免許番号:941700070)・簿記1級・販売士1級を活かし、長年にわたり、不動産、自動車などの売買契約業務から会計業務まで幅広く従事。社会問題から生活に関わる話題などについて、独自の視点で執筆活動も行っています。